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このたび、工房設立100年余の歴史をもつ京都・便利堂のコロタイプ工房では、東京都写真美術館および著作権者である植田正治事務所の監修の下、多くの植田正治作品の中から最も代表的な作品群であるシリーズ《童暦》の中から12点を厳選し、コロタイプ・プリントによる限定のオリジナル・エディションを刊行します。 ピグメント(顔料)を用いて写真作品が持つスピリットを最大限に引き出した今回のポートフォリオは、今やそのオリジナルプリントが入手困難とされている植田正治没後最初の新作プリントとして、また植田正治の新たな一面としてご紹介するものです。 深いシャードーからハイライトにかけての滑らかな階調、不思議な暖かみ、顔料を使うため可能となる自在な色表現など、コロタイプしか持ちえない独特な美しさで表現されたハンドメイド・プリントは、今後の写真表現の一役を担う新たな作品プロセスとしてご覧いただけることでしょう。 |
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日本はコロタイプの国である--コロタイプ・ポートフォリオ《童暦》によせて「近代写真の父」とも称されるアルフレッド・スティーグリッツが創刊した『カメラ・ワーク (Camera Work)』(1902〜17)は、写真史上もっとも美しい写真雑誌といわれている。それは、フォトグラビア法で印刷された写真図版の美しさによっている。フォトグラビア法は網点を使わない手刷りのグラビア印刷で、20世紀の初頭において芸術的な印画法として確立しているのである。 |
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1955年頃から1970年頃までに撮影、写真雑誌等で発表されてきた作品群をまとめ、中央公論社より「映像の現代」第3巻として1971年に出版された植田正治の写真集に名付けられたタイトル。「映像の現代」全10巻は、この当時「VIVO」や「PROVOKE」などで活躍していた若い世代の写真家たちを中心に構成されていたが、この中に当時58歳の植田正治が組み入れられたことでも話題となり、写真家・植田正治の評価における第二ステージの始まりとなった。山陰地方を舞台に子供たちの姿を通して描かれる春夏秋冬の風景が、植田独自の印画テクニックによって、はかなくも美しい映像世界として作り上げられている。 |
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