作家として世界を舞台に活躍されるKajioka Mihoさんへのインタビューを公開いたします。
工房見学にお越しになり、すぐに「ワークショップを受けたい!」とお気持ちを聞かせてくださった美穂さん。忙しいスケジュールをの合間をみて5日コースを受講されました。
そして、当日… 初めてとは思えないプリント方法の習得の速さと、満載のアイディアで、作品がどんどん生み出されていきました。
ご本人の”こうしたい!”という情熱や、作品をさらに素敵にみせるための機転が一枚一枚に滲みます。
Kajioka MihoさんのHPはこちら > www.mihokajioka.com/
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Q1:写真家として、コロタイプを作品に用いてみようと考えられたきっかけは何でしたか?
何年か前に便利堂さんで展示されていた作品を見て、その黒の強さやディテールの美しさに感動し、いつか自分の作品をコロタイプで作りたいと思ったのがきっかけです。
Q2:実際にコロタイプで制作をしてみて、作品との適合性はいかがでしたか?
短期間だったのでコツも掴めないまま終わってしまいましたが、普段暗室で焼いている銀塩写真を作る時と同じ感覚や考え方ではいい作品はつくれないなと実感しました。その分、力を抜いて今までやったことがない事を遊びながら試せて楽しかったし、思わぬ発見もありました。違う角度から大らかに制作することができて自分の作品の可能性が広がったと思います。
Q3:コロタイププリントを作る作業は、ほとんど初めて体験するような内容だったと思いますが、何度もやってみたいと感じる一番の魅力は何でしたか?
「ああ、もうちょっとこうしたらもっとよくなる」と思うと、際限なくプリントし続けてしまう。やはりうまくプリントできたときの美しさは言葉にできない感動でした。個人的にデジタル出力だと何だかコントロールできすぎてしまうところが物足りなくて、いまだに銀塩写真で作品をつくっているのですが、コロタイプは銀塩写真よりもさらにコントロールが難しくて、だからいこそおもしろい。絵画専攻だったので、インクの香りの中で作業するのも懐かしく心が躍りました。
Q4:デジタル技術を用いた表現の幅が広がる中で、写真のプリント方法の原点を知るような取り組みでもあったかと思いますが、これから体験する方へ特にお勧めしたいと感じる点はありますか?
インクを練ったり、ローラーへの力の入れ方やインクの乗せ方で濃淡をコントロールしたり、そいう原始的な作業をしていくうちにいつの間にか初心に戻れて、自分の作品を違う角度から見る事ができたと思います。イメージは写真なんだけど、半分絵を描いているようでした。一度でも体験すれば、自分の作品の切り口や方向性に影響が出ておもしろいのでは?
Q5:制作されたコロタイププリントは、その後どのように使用されていますか?
大量にポストカードを作ったのですが、近いうちにセットにして展示会で販売しようと思っています。その他、たくさんの紙にいろんなイメージを試してみたものがあるのですが、銀塩写真だけではなく本の制作などのインスピレーションになっています。
これだけは言っておきたいなということがあればお願いします:
本当に幸せな1週間のワークショップでした。みなさんありがとうございました。またぜひ、次はもっとガッツリとコロタイプで制作したいです。