Interview: Yoko Mazuki

写真家として活躍される真月洋子さんにインタビューを行いました。
初めてコロタイプアカデミーに来られた時から、その慎重な手つきと”このように刷り上げたい”という内なる想いの強さが伝わってきて、この方はどんな意図や背景を持ってこの作品に対峙されているのだろうか…ととても魅力を感じました。
展覧会の開催に向けて制作された作品群。フレームに納められたその姿を拝見する日をとても楽しみにしています。

真月さんのHPはこちら >https://yoko-mazuki.com/

Q1: 写真家として、コロタイプを作品に用いてみようと考えられたきっかけは何でしたか?
再開したシリーズ作品を、以前の方法(ゼラチンシルバープリント)とは違った表現方法で表してみようと思ったことからです。

Q2: 実際にコロタイプで制作をしてみて、作品との適合性はいかがでしたか?制作の幅がより広がったと思える部分、逆に制約だと感じた部分はありますか?
ゼラチンシルバープリントやインクジェットプリントとは違う奥行きやトーンを持たせることができ、作品との適合性も良く、制作の幅が広がったと思えました。ただ、ティシューのサイズやインキングの技術力に制約があるため、大判プリントには向いておらず、手許でじっくりと鑑賞するのに向いていると思えます。

Q3: コロタイププリントを作る作業は、ほとんど初めて体験するような内容だったと思いますが、何度もやってみたいと感じる一番の魅力は何でしたか?
Q2でお答えしたように現在進行中の作品との適合性が良く、シリーズとして作り上げたいと思えたのが何度も試行を続ける原動力になっています。

Q4: デジタル技術を用いた表現の幅が広がる中で、写真のプリント方法の原点を知るような取り組みでもあったかと思いますが、これから体験する方へ特にお勧めしたいと感じる点はありますか?
撮影やプリントが手軽にできる、あるいはモニター上やスマホ画面でだけ見て終わらせてしまうことの多くなっている中で、ひとつひとつのイメージとじっくりと向き合う時間を持つことができる点を、特にお勧めしたいと思います。

Q5: 制作されたコロタイププリントは、その後どのように使用されていますか?
プレゼン用にブックマットにして保管しています。また、薄い手漉き和紙を使っているため、湿度変化によって紙にしわがよらない額装を試作して、2023年の東京の展覧会の準備を進めています。

これだけは言っておきたいなということがあればお願いします:
古典技法としてのコロタイプで印刷したということだけに満足せず、自分の作品だったらこれを使ってどのように表現できるだろうか?を常に考えていきたいと思いますので、スタッフの方たちにはその都度ご無理を言ったりしますが、よろしくご指導のほどお願いいたします。

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