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<実績紹介>法隆寺金堂壁画写真ガラス原板高精細デジタル化作業を実施

2019.10.01

今春より法隆寺金堂壁画写真ガラス原板高精細デジタル化作業が進行中です!

高精細デジタルスキャナー

ガラス乾板とは、写真フィルムが主流となる20世紀半頃まで使用されていた、ガラスに感光材を塗布した撮影用の記録媒体のことです。材質がガラスであるため扱いづらく劣化もする一方で、ガラス乾板に写された写真には、そこにしか記録されていない当時の様子が残っているため、貴重な文化財といえます。

 

なかでも昭和10年(1935)に便利堂によって撮影された法隆寺金堂壁画写真ガラス原板は、昭和24年(1949)に火災で焼損する前の壁画の様子が写し遺されていて、現在はもう見ることのできない情報が豊富に入った大変貴重なものであり、デジタル化が急務となっていました。

 

そこで便利堂は、京都大学と大型ガラス乾板にも対応できる世界初の専用超高精細デジタルスキャナーを共同開発し、この法隆寺金堂壁画のガラス原板をデジタルデータにする作業をおこないました。これにより、壁画の細部や肉眼では見えにくい部分を確認することができ、今後の美術史研究や、文化財への関心に繋がるのではないかと期待しています。

 

今後スキャニングデータは、各研究機関や博物館等で活用・公開されるとのことで、皆さまにもご覧いただける機会があるかもしれませんので、お楽しみにお待ちください!

 

・昭和10年の便利堂による法隆寺金堂壁画原寸大撮影についての詳細はこちら

・スキャナーについての詳細はこちら

<実績紹介> ICOM KYOTO 2019 国際博物館会議に出展

2019.08.26

ICOM KYOTO 2019 国際博物館会議京都大会に出展


9月1日より9月7日まで、京都国際会館にてICOM KYOTO 2019が開催されます。ICOM(International Council of Museums)とは、博物館関係者により1946年にパリで創設された、博物館に関する唯一最大の国際機関(NGO)です。2019年現在、世界138の国と地域から44,500人のミュージアム関係者が、加入しています。この国際博物館会議が、このたび日本で初めて京都で開催されます。

国際博物館会議は3年に1度開催されており、第25回の京都大会は「文化をつなぐミュージアム―伝統を未来へ―」をテーマに、文化財や美術品をどのように守っていくのかという問題や、ミュージアムの運営や経営、紛争や災害等の緊急時の対応方法など、博物館に関わる情報の交換や知識の共有、会議がおこなわれる予定です。そして、そのなかのイベントの1つとしてミュージアム・フェアが開催されることになり、便利堂もブースを出展し、参加することとなりました!

ミュージアム・フェアは京都国際会館内の三つの会場にわたり9/2~4の3日間開催され、博物館美術館をはじめ、文化に関わる企業・団体がブースを出展し、皆様に活動や技術を紹介するイベントです。今回便利堂では、EVENT HALLのブース番号「E32」にて『明日への文化財遺産の保存』をテーマに、これまで一世紀以上にわたって取り組んできた「コロタイプ複製」、「文化財撮影」、そして新たな取り組みである「ガラス乾板スキャナー」の3つを柱とする、“便利堂独自のアーカイブ技術”を皆様にご紹介します!

今回のご紹介で特に力を入れているのは、便利堂が京都大学と一緒に開発した大型原板にも対応可能な世界初の「ガラス乾板専用超高精細スキャナー」です。

<実績紹介> 文化財保護法施行65周年記念『国宝事典』第四版 4月20日刊行

2019.03.12

文化財保護法65周年記念出版
『国宝辞典』第四版 刊行いたします。

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弊社は明治20年の創業以来、日本の文化財の記録写真、印刷物出版物を通じて、その素晴らしさを国内外に普及するお手伝いをしてまいりました。昭和31年には文化財保護法10周年を記念して、我々の祖先が作り上げた優れた文化財の象徴である国宝を写真と解説で一覧した『国宝事典』[編集:文化財保護委員会(現文化庁)]を刊行し、日本美術を学ぶ方々の参考書として、また一般家庭の教養書として、大きな役割を果たしてまいりました。しかしながら、昭和51年刊行の第三版の刊行より、四十有余年が過ぎましたが、本書のような信頼ある解説かつ利便性を兼ね備えた類書は存在していません。現代を生きる国民にとって、日本人が有する文化財保護に対する高い志を見直すために、且つ日本美術のすばらしさを学ぶための良書として、増補改訂版を刊行する意義は大きく、文化財保護法施行65周年を記念した文化庁とのコラボレート・プロジェクトとして、ここに第四版の復刊を企画いたしました。執筆・監修は三版に引き続き、文化庁の多大な協力を得、その後指定された文化財を増補、解説文は新たな知見を盛り込んだ改訂版とし、図版はオールカラーといたしました。初回ご予約のお客様には特典をご用意しておりますので、この機会にぜひご予約をよろしくお願いいたします。

 

【仕様】  B5版、上製本、ケース入り、本文カラー印刷
【定価】  8,500円(+税)
【発売予定】2019年4月20日(土)

初回特典 ご購入いただいた方にもれなく国宝事典オリジナル「スライド式ルーペ」プレゼント!
※限定数量がなくなり次第、終了とさせていただきます

国宝事典公式ページはこちら

【送料無料】国宝事典(第四版) のご購入はこちら

でお願いいたします。

高岡市美術館「美の記憶ーよみがえる至宝たちー」展

2016.10.18

便利堂の松原です。

高岡市美術館の展示を見に行ってまいりました。

高岡市は京都からは車で4時間ほどの場所にあります。


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美術館の多くの場所にRが使われているなあと思い、伺ってみると美術館の建築は内井 昭蔵さんとのこと。


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壁に使われている、土などはその土地のものを使うなど「健康的な建築」というのを目指しているのだとか。

 

学芸員の瀬尾さんとポルトガルからコロタイプ研修生のジョアンナ

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その後、瀬尾さんの方からご案内いただき展示を見てきました

法隆寺金堂壁画の配置で並べられ、一瞬ここは美術館ではなくお寺なのかと錯覚するような空間。

 

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当時の原寸大撮影模型のミニチュア(3分の1)

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このように撮影されていたのですね。

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このガラス乾板が保存されていたからこそ、当時の様子を再現することが出来るのだと、

文化財の複製について、コロタイプ印刷について、また法隆寺金堂壁画について、

しっかりとわかる展示になっています。

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まだ行かれて方はぜひ 、23日までに高岡市美術館に足を運んでください。

次はコロタイプワークショップについてレポートします。

 

「美の記憶―よみがえる至宝たち―」展 開催!記念出版のお知らせ

2016.09.16

本日より「美の記憶‐よみがえる至宝たち」展スタートしました。

本展は、《法隆寺金堂壁画12面》をはじめとする便利堂の文化財記録・保存事業への歴史的貢献と、《正倉院文書》や《鳥獣人物戯画(甲巻)》《風神雷神図・夏秋草図屏風》など、未来へ守り継がれるべき国宝や重要文化財の、現代における複製品の幅広い楽しみ方と意識を紹介し、美術印刷の歴史とともに歩んできた便利堂のコロタイプ印刷の魅力を再発見します。
【チラシのダウンロードは美の記憶展からどうぞ】

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【開催日程】9月16日(金)より10月23日(日)

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高岡市美術館は、伝統と創造が織りなすひらかれた美術館をめざし、平成6年(1994)9月にオープンしました。 全国的、国際的にも優れた企画展を開催するとともに、美術工芸、金属造形を中核とした特色あるビコーレギャラリー(旧常設展)を開催しています。

【関連行事】

○特別講演会
「御堂関白記と花園院宸記の魅力―巻子本日記とコロタイプ複製」 10月2日(日)14:00-15:00
講師=長村祥知氏(ながむら よしとも/京都文化博物館 学芸員)

○ギャラリートーク
学芸員と楽しむ複製の世界 9月17日(土)14:00-15:00

二人のスペシャルトーク 10月8日(土)14:00-15:00
村上隆館長×西村寿美雄氏(株式会社 便利堂)

○ワークショップ
自作オリジナル写真のコンテスト「高岡の夏」と刷り体験
写真応募:9月4日(日)必着
刷り体験:9月24日(土)13:30-15:00
*応募作品から選ばれた10名が自作の刷り体験に参加できます
*応募条件はこちら

親子で刷り体験「チョウジュウギガ/うさぎのウ」
刷り体験:10月15日(土)13:30-15:00
対象:小学生、中学生、高校生とその家族
定員:先着順10組20名 *参加無料 *見学自由
申し込み:9月24日(土)9:00から美術館に電話して下さい
*あらかじめ用意されたガラス原板で「鳥獣人物戯画」の兎を葉書に刷ります

記念出版のお知らせ

本書は、高岡市美術館にて開催される「美の記憶‐よみがえる至宝たち」展を機に刊行されました。便利堂は明治20年(1887)の創業以来、日本文化の発信、日本美術の普及にお役に立つべく歩み続け、2016年7月をもって130年を迎えることができました。この小冊子が、文化財保存について考えていただく機会になるとともに、コロタイプについて理解を深めていただくきっかけになれば幸いです。お買い求めはこちらからどうぞ。

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尾形光琳「風神雷神図屏風」原寸大復元複製里帰りプロジェクトイベント「手刷りコロタイプで風神雷神を刷ってみよう!」

2015.09.14


「尾形光琳「風神雷神図屏風」原寸大復元複製里帰りプロジェクト」の一環として、今回の複製に用いられる「コロタイプ印刷」を体験していただくワークショプを京都文化博物館にて行いました!
レポートはこちらから

便利堂撮影「法隆寺金堂壁画」のガラス乾板が重要文化財指定に

2015.03.16


便利堂が昭和10年に撮影した法隆寺金堂壁画の写真原板が、国の重要文化財に指定されます!
「歴史資料の部」8件のうち2件として、文化庁で以下のように発表されました。
「壁画焼損前の彩りを伝える唯一の原板として貴重であり(中略)法隆寺金堂壁画の最も高品質な写真原板であるため、学術的価値が高い。」
「高い撮影技術を駆使して細部に至るまで、巨大な壁画の精緻な記録を作成することに成功したもので(中略)法隆寺金堂壁画の最も高品質な写真原板であるため、学術的価値が高い。」
文化庁の報道発表
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/2015031302.pdf
さらに詳しくは
http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-79.html

連続公開講座「京の美意識」@京都嵯峨芸術大学

2015.02.20


京都嵯峨芸術大学で行われる連続公開講座「京の美意識」に、便利堂コロタイプ工房長・山本修が講師として参加します。
【日時】
6月20日(土) 14:20~15:50
【テーマ】
「法隆寺金堂壁画とコロタイプ~再現された壁画の下絵になった印刷技術~」
【内容】
昭和24年の火災により焼損した法隆寺金堂壁画でしたが、コロタイプという精巧な写真印刷を和紙に施し、その上に日本を代表する画伯達が着彩する技法で昭和43年に見事に再現されました。この講座では、法隆寺金堂壁画とコロタイプの関係を中心に文化財保存に貢献するコロタイプ技術の話をさせて頂きます。
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山本は36年間にわたってコロタイプ一筋。これまで手掛けてきた主な文化財複製は、蒙古襲来絵詞・一遍上人絵伝・若冲動植綵絵・正倉院文書などがあります。
便利堂の中でも特にコロタイプを知り尽くした人物です。興味のある方は、またとないこの機会にぜひご参加ください。
「京の美意識」詳細や申込方法はこちらから

東日本大地震お見舞い

2011.03.14

この度の東日本大地震により、被害を受けられた皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
皆様の安全と健康、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
株式会社便利堂