京都市美術館と京都画壇コレクション
2015.01.14
京都人にとりとても馴染みの深い美術館、京都市美術館。
あの重厚な外観を、京都人だけでなく岡崎公園を訪れたかたはご記憶されているのでは。
平安神宮の大鳥居と前を流れる疏水、京都市美術館の和風洋建築、そしておとなりの現代的な京都国立近代美術館のたたずまいは、京都の明治以降の歴史をそのまま体感できるスポットです。
京都市美術館は昭和天皇ご即位の記念として、昭和8年に日本で二番目の大規模公立美術館「大礼記念京都美術館」の名称で開設されました。建設に要した費用は関西財界はもとより、多くの市民からの寄付により全額がまかなわれたそうですから、美術館にかける市民の情熱がうかがわれます。
コレクションの中核は、明治以降の京都を中心とした近・現代美術。なかでも日本画京都画壇のコレクションはその質と量から白眉といえるでしょう。明治13年に日本初の公立画学校「京都府画学校」(現在の京都市立芸術大学)が京都に開設されます。長く都であった素地に加え、明治以降も画家を志す多くの若者達は京都を目指しました。京都市美術館開設の同年に開催された「大礼記念京都市美術展」には、そのような画家の卵が競いあうように出品したそうです。彼等はのちに大家に成長します。
チケットクリアファイル 〈静閑〉 417円(税別)
■竹内栖鳳(たけうちせいほう、1864-1942)
京都に生まれる。四条派の画家、幸野楳嶺の私塾に学ぶ。のち京都府画学校にて教鞭をとり、帝室技芸員
となる。主宰した画塾「竹杖会」からは上村松園や西山翠嶂をはじめ名だたる俊英を多数輩出。京都画壇を代表する作家である。第一回文化勲章受章。特に動物の絵を得意とし写実性あふれる作品を多数遺している。
ほかにも京都市美術館で開催される帝展(文展、現在の日展)など、これら公募展の優秀作品の買い上げが京都市美術館のコレクションの核を成しています。また、京都市美術館には京都の美術界から多くの寄贈作品が作家本人あるいは遺族、コレクターよりもたらされてきました。開設からこのかた、画家に愛され、市民に愛されて充実してきたコレクションなのですね。
プラスチックしおり 上村松園 〈待月〉 278円(税別)
■上村松園(うえむらしょうえん、1875-1949)
京都に生まれる。京都府画学校に入学するも退学、鈴木松年に師事。のち竹内栖鳳主催の「竹杖会」入門する。女性が画家を志すのが難しかった時代において、孤高に筆を握り続けた。のち女性で初めての文化勲章を受章。「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵」を志した松園が遺した作品は、近代日本の美人画の代表と言われ、現代においても「松園の前に松園なく、松園の後に松園なし」と言われるほどである。
おすすめは年に二回ほど開催されている「京都市美術館コレクション展」。展覧会のポスターはいつも大胆なトリミングと色遣いで目をひきます。知られざる優品コレクションを観覧できる貴重な機会です。
くわしくは
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/index.html
チケットクリアファイル 菊池契月 〈友禅の少女(部分)〉 417円(税別)
■菊池契月(きくちけいげつ、1879-1955)
長野に生まれる。栖鳳と同様に幸野楳嶺の私塾に学ぶ。のち京都市立絵画専門学校(現在の京都市立芸術大学)にて教鞭をとり、のち帝室技芸員。仏教美術・やまと絵・浮世絵など古典作品の研究から生み出された作品や、均一な線と控えめな色彩による白描画風の作品を特徴とする。
このたび便利堂では、京都市美術館に特別に許可をいただき、同館所蔵の日本画京都画壇作品をモチーフにした商品を新発売いたしました!
いつも身近で愛用いただける、小さなアイテムたち・・・ファイル、しおり、マグネットの3アイテムです。
ぜひご愛用ください。
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